インテルCPUラインナップ

Dynabook Direct

 過去CPU製品はインテル1社独占ともいえる状況でしたが、現在では特に個人向けCPU製品の分野でAMDのCPU製品「RYZEN」の登場により、シェアはおよそ60%まで後退しました。
 理由は主に製造プロセス(リソグラフィー)の開発遅延によるものです。本来第10世代で10nmとなる予定でしたが実現できず、すでに7nmを発売しているAMDに大きく差をつけられました。
 それでも、企業パソコンにおいてはその信頼性の高さからインテルのCPU製品が選ばれる場合がほとんどです。また2020年9月にはノートPC向けだけですが第11世代10nmを発売し、2021年春にはディスクトップPC向け第11世代10nmも発売予定です。


インテルのCPU製品の「ブランド」

 CPUの性能は昔はクロック周波数だけで判断できました。しかし、クロック周波数を上げれば上げるだけCPUの発熱量が上がってしまうため限界となり、コア、スレッドなど他の様々な技術的要素により総合的にCPUの性能を上げるようになりました。このためCPUの性能を比較する際も同様、クロック周波数、コア数、スレッド数などを総合的に判断しなければならなくなりました。
 しかし、それでは消費者に分かりにくいので、インテルはXeon Platinum、Xeon Gold、Core i9、Core i7といった製品のブランド名を用いて、名前だけである程度のCPU性能グレードを判断できるようにしました。


 ~ ブランドのグレード ~

 【パソコン向け】

 Core X > Core i9 > Core i7 > Core i5 > Core i3 > Pentium > Celeron

※Core XはCore i9のプロセッサナンバー末尾にXのつくCPUの総称です。


 【サーバー向け】

 Xeon Platinum > Xeon Gold > Xeon Silver > Xeon W > Xeon E3
 > Xeon Bronze


Core vProとは
 企業内で使われるPCの日常の運用管理業務を支援するのに適したハードウェアを備えていること示す目的でパソコンに与えられるブランド名です。
 CPUに付けられたブランド名ではありません。昔の「Centrino」と指し示す対象は違いますが、意味合いは同じです。


インテルのCPU製品の「世代」

 同じCore i7どいうブランドでも第一世代、第二世代というように世代(発売時期)ごとに性能がアップデートされます。

 大まかにですが、世代が進むごと約20%~40%の速度向上が進められ、あわせて省電力化などの機能も進化します。

 2020年9月、ノートPC向けのみですが、ついに製造プロセス10nmの第11世代Rocket Lakeがローンチされました。ディスクトップ向けは2020年春ローンチ予定なので、今は買い控えた方が良いかもしれません。


【インテルCPU製品の世代一覧】

世代 発売時期 ロゴ 製造プロセス 対応メモリ 備考
第1世代 Nehalem 2008年 45nm DDR3
第2世代 Sandy-bridge 2011年 32nm DDR3
第3世代 Ivy-bridge 2012年 22nm DDR3
第4世代 Haswell 2013年 22nm DDR3
第5世代 Broadwell 2014年 14nm DDR3
第6世代 Skylake 2015年 14nm DDR4 対応メモリがDDR4になる。
第7世代 Kaby lake 2016年 14nm DDR4 Core i9については、
Skylake-Xとして第7世代で登場。
第8世代 Coffee Lake 2017年 14nm DDR4
第9世代 Coffee Lake
Refresh
2018年 14nm DDR4
第10世代 Comet Lake 2019年 14nm DDR4
第11世代 Rocket Lake 2020年 10nm DDR4X 【最新】

※製造プロセス(リソグラフィー):CPUの半導体の回路線幅。小さければ小さいほど半導体の密度が上がり、結果同一面積により多くの半導体を配置することができ、CPUの速度向上につながります。


インテルのCPU製品の「プロセッサナンバー」

プロセッサナンバーの確認方法

 CPUのプロセッサナンバーは、Windows10の場合、スタートボタンを右クリック→「システム」をクリックすると、以下の画面が表示されます。この中の「プロセッサ」を見れば分かります。

 この場合プロセッサナンバーはCore-i7-4510Uです。

 プロセッサナンバーの数字4桁の左1桁は世代を表します。
 この場合4510の左1桁目は4なので、第4世代(Haswell)だということが分かります。
 第10世代は数字5桁になりました。左2桁は世代を表します。
 例えばCore-i7-10700Tの場合の左2桁は10なので、第10世代(Comet)だということが分かります。  第11世代はまた数字4桁に戻りました。左2桁は世代を表します。

 プロセッサナンバーの数字が3桁の場合は第1世代です。


 プロセッサナンバー数字4桁の後にアルファベット1字がつく場合とつかない場合があります。
 つかない場合は標準的な設計です。
 つく場合は以下の表によります。
 上図の場合はUがつくので、超省電力CPUであることが分かります。


【プロセッサナンバー末尾のアルファベットの意味】


~ デスクトップ向け ~

アルファベット 種類 意味
XE デスクトップ向け 最上位モデルのXシリーズの中でも最上位。
各世代ごとのフラッグシップモデルです。
X デスクトップ向け 最上位モデルです。Xシリーズと呼ばれます。
倍率ロックフリーモデル。オーバークロック※が可能。
K デスクトップ向け Xに次ぐ上位モデルです。
倍率ロックフリーモデル。オーバークロック※が可能。
S デスクトップ向け 末尾に何もつかない標準版に比べ省電力。ただしベースクロックが低下。
T デスクトップ向け Sよりさらに省電力。さらにベースクロックが低下。

※オーバークロック:CPUに初期設定されているベースクロック周波数を上げて使用すること。発熱量が増えCPUの寿命を縮めてしまうリスクがありますが、本来の能力以上の速度を実現できます。実施は自己責任で、メーカー保証対象外の、もはやドーピングです。ただし、標準設定は安全重視すぎて、本来の性能を出し切れていないという話も聞きます。このオーバークロックを行うことが可能なCPUは倍率ロックフリーモデルであるX、Kのみです。


~ モバイル向け ~

アルファベット 種類 意味
HK モバイル向け モバイル向け上位モデルのHシリーズの中でも最上位。
各世代ごとのフラッグシップモデルです。
H モバイル向け モバイル向け上位モデルです。ハイパフォーマンス、ハイグラフィックス
※2018年4月モデルまでクアッドコアの場合「HQ」と表記されていましたが「H」に統一されました。
G モバイル向け モバイル向け上位モデルです。ハイパフォーマンス、さらにハイグラフィックス。APUと呼ばれる内臓グラフィックスではなくGPUを一体化した製品です。
B モバイル向け モバイル向け標準モデルです。
U モバイル向け 超省電力。
Y モバイル向け さらに超省電力。


~ デスクトップ向け/モバイル向け 共通 ~

アルファベット 種類 意味
F デスクトップ向け
モバイル向け
KF、F、HF等、各モデルの内蔵グラフィックスが無効化されたバージョンです。別途GPUを利用する場合に選択します。


【パソコン向け】インテルの最新CPU製品ラインナップ

 現在、新規購入する場合の選択肢となる、第10世代、第11世代のCPUの一覧です。

  第11世代

プロセッサ
ナンバー
種類 コア数/
スレッド数
定格クロック/
最大クロック
L3キャッシュ 製造
プロセス
内蔵グラフィック TDP 参考
価格
Core i9-10980XEディスクトップ18/363.0GHz/4.8GHz24.75MB14nmなし165W78,500
Core i9-10900Xディスクトップ10/203.7GHz/4.5GHz19.25MB14nmなし165W70,702
Core i9-10900Tディスクトップ10/201.9GHz/4.6GHz20MB14nmIntel UHD Graphics 63035W62.998
Core i9-10900ディスクトップ10/202.8GHz/5.2GHz20MB14nmIntel UHD Graphics 63065W51,273
Core i9-10900Kディスクトップ10/203.7GHz/5.3GHz20MB14nmIntel UHD Graphics 630125W65,445
Core i7-10700Tディスクトップ8/161.3GHz/4.5GHz16MB14nmIntel UHD Graphics 63025W/35W52,980
Core i7-10700Kディスクトップ8/163.8GHz/5.1GHz16MB14nmIntel UHD Graphics 63035W57,366
Core i7-10700ディスクトップ8/162.9GHz/4.8GHz16MB14nmIntel UHD Graphics 63065W68,120
Core i5-10600ディスクトップ6/123.3GHz/4.8GHz12MB14nmIntel UHD Graphics 63065W27,366
Core i5-10500ディスクトップ6/123.1GHz/4.5GHz12MB14nmIntel UHD Graphics 63065W24,618
Core i5-10400ディスクトップ6/122.9GHz/4.3GHz12MB14nmIntel UHD Graphics 63065W25,999
Core i3-10320ディスクトップ4/83.8GHz/4.6GHz8MB14nmIntel UHD Graphics 63065W19,977
Core i3-10300ディスクトップ4/83.7GHz/4.4GHz8MB14nmIntel UHD Graphics 63065W17,980
Core i3-10100ディスクトップ4/83.6GHz/4.3GHz8MB14nmIntel UHD Graphics 63065W13,890
Core i7-1160G7モバイル4/80.9GHz/4.4GHz12MB10nmIntel Iris Xe Graphics7W/15W
Core i7-1185G7モバイル4/81.2GHz/4.8GHz12MB10nmIntel Iris Xe Graphics12W/28W
Core i7-1165G7モバイル4/81.2GHz/4.7GHz12MB10nmIntel Iris Xe Graphics12W/28W
Core i5-1130G7モバイル4/80.8GHz/4.0GHz8MB10nmIntel Iris Xe Graphics7W/15W
Core i5-1135G7モバイル4/80.9GHz/4.2GHz8MB10nmIntel Iris Xe Graphics12W/28W
Core i3-1115G4モバイル2/41.7GHz/4.1GHz6MB10nmIntel Iris Xe Graphics12W/28W
Core i3-1110G4モバイル2/41.5GHz/3.9GHz6MB10nmIntel Iris Xe Graphics7W/15W
Core m3-8100Yモバイル2/41.1GHz/3.4GHz4MB14nmIntel UHD Graphics 6155W30,600

※TDP:(Thermal Design Power / 熱設計電力)。発熱量の目安で、消費電力とも関係します。

※Core m3:モバイルの低消費電力に特化した、ローエンドCPUです。Core i3のサブストリームとして扱われます。Surface4やMacBookに搭載されています。



【サーバー向け】インテルのCPU製品ラインナップ

 インテルのサーバー向けCPUはXeonのブランド名で展開されています。パソコン向けCoreシリーズとの違いは
・24時間稼働を前提とした高信頼性
・コア数の多さ
・最大搭載可能メモリの多さ
です。企業向けの大規模システムのサーバー用CPUとして利用されます。

 サーバー向けXeonブランドは、もともとはE7>E5>E3というブランド体系だったのですが、スケーラブルプロセッサーシリーズ(Platinum、Gold、Silver、Bronze)としてブランド名が変わりました。

 現在、Xeonスケーラブルプロセッサーシリーズ(Platinum、Gold、Silver、Bronze)、ワークステーション向けXeon Wシリーズ、省電力Xeon Dシリーズ、小規模向けXeon E3シリーズの4シリーズで展開しています。

【サーバー向け最新CPU製品ラインナップ】

プロセッサ
ナンバー
種類 コア数/
スレッド数
定格クロック/
最大クロック
L3キャッシュ 製造プロセス 内蔵グラフィック TDP
Xeon Platinum 8380Hサーバー28/562.9GHz/4.3GHz38.5 MB 14nm-250W
Xeon Platinum 8260サーバー24/482.4GHz/3.9GHz35.75 MB 14nm-165W
Xeon Gold 6328Hサーバー16/322.8GHz/4.3GHz22.0 MB 14nm-165W
Xeon Silver 4214Rサーバー12/242.4GHz/3.5GHz16.5 MB 14nm-100W
Xeon Bronze 3206Rサーバー8/81.9GHz/1.9GHz11.0 MB 14nm-85W
Xeon W-1270サーバー8/163.4GHz/5.0GHz16.0 MB 14nm-80W
Xeon D-1602サーバー2/42.5GHz/3.2GHz3.0 MB 14nm-27W
Xeon E-2234サーバー4/83.6GHz/4.8GHz8.0 MB 14nm-71W



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