GPU

 GPUはGraphics Processing Unitの略。高速にモニターへの描写を行うために必要なユニットで、主にゲームや映像を高速表示するために購入する製品です。現在ではその用途は広がり、仮想通貨のマイニング、AIのディープラーニングといった用途でも高速計算チップとして利用されるようになり、その重要性が増しています。ここではGPUを購入する場合に知っておくべき性能指標、メーカーを中心にまとめたいと思います。

1.はじめに

 GPUはCPUと同じく演算プロセッサーですが、映像やゲームなどの画像描写を専門に処理するプロセッサーです。CPUとの違いは複雑な計算処理ができない反面、単純な計算処理がより速いことです。
 例としてCPUのコア数は一般的に2~4コア、最高でも18コアですが、GPUは数百コアあります。1コアの性能は圧倒的にCPUの方が勝るのですが、GPUは性能の低いコアでもコア数が圧倒的に多いため並行処理できる単純処理の場合はCPUよりも早く計算が可能です。
 映像の描写処理は、この並行処理できる単純処理の際たるものです。画面を各々のコアで分割して描写を担当します。


 GPUは、パソコンへの搭載方法として、
 1.CPUに一体型として組み込まれているもの
 2.マザーボード(チップセット)に一体型として組み込まれているもの
 3.外付けでマザーボードに接続するもの
 に分けることができます。

 GPUは、チップ(グラフィックチップ・ビデオチップ)とも呼ばれるCPUと同じような小さな集積回路です。1.、2.の場合はこのチップが搭載されているパソコンモデルで、オンボードとも呼ばれます。これに対し3.はチップと冷却用のクーラー、マザーボートとの接続インターフェースであるPCIExpressインターフェース、モニターへの出力端子であるDVI、HDMI等をひとまとめにしてグラフィックボードまたはビデオカードの名称で製品化されており、パソコンとは別売りの場合が多いです。

 一般的にオンボードのグラフィック性能は低いとされていましたが、最近大幅に性能が向上しているためグラフィックボードを追加する必要はなくなりつつありますが、より高性能なグラフィックスを求める場合は、別途グラフィックボードを購入して対応します。
 ノートパソコンについては、購入後にグラフィックボードの追加が難しいので、購入時にオンボードのGPUの性能で使用する用途がカバーできるか十分確認しておく必要があります。


2.GPUの性能

 GPUの性能は、コア数、ベースクロック数、最大クロック数、ビデオメモリ最大容量、最大解像度でその性能を確認できます。


コア数

 GPU機能を持つ最小単位がコアであり、そのコアの数をコア数と呼びます。コア数が多ければ多いほどGPUの処理を並行して大量に実行できます。つまり、コア数が多ければ多いほどGPUの処理速度は速いと言えます。コア数はメーカーにより仕様表記で、
 ・NVIDIA(エヌビディア):CUDA(クーダ)コア
 ・AMD:シェーダプロセッサ(Shader Processor:SP)
 と表記されたり、更に、インテル製GPUではコア数自体仕様表記されていません。


ベースクロック数 / 最大クロック数

 GPUの性能を表す1つの指標です。振り子のように「0」「1」を切替えて演算を行うその回数です。単位はMHz、GHzで表されます。このHzが大きければ大きいほど、GPUの処理速度は速いと言えます。
 ベースクロック数と最大クロック数の違いは、ベースクロックが通常の利用時のクロック周波数なのに対し、最大クロック数は高解像度の処理などGPUに負荷がかかった場合に自動で引き上げられるクロック周波数の目安です。


グラフィックス・ビデオメモリ(VRAM)容量

 GPUのメモリです。解像度やフレームレートを上げると大量のメモリを必要とします。メモリが多ければ多いほど処理できる画像情報が増えると言えます。最新の4K UHD解像度、60fpsに対応しようとした場合、最低6GBは必要と言われています。
 尚、現在メモリの規格としてGDDR5という規格が主流ですが、後継のGDDR5XやHBM、HBM2という規格が出て来ています。この規格が違う場合は単純に容量で比較できなくなりますのでご注意下さい。


メモリバスインターフェース

 主にPCIバスインターフェースのことで、GPUとマザーボード、マザーボートとグラフィックボードのデータ転送規格のことです。詳しくはこちらにまとめています。各々の規格が合っていないと、下位の規格になってしまいます。


3.GPU(チップ)メーカー

 2017年現在、インテルが70%、NVIDIAが20%、AMDが10%です。メーカーとしてはほぼこの3社で独占と言えます。インテルはCPUと一体型のGPUのみ提供しており、グラフィックボードに搭載されているGPUはNVIDIAまたはAMDです。
 インテルのGPUはCPUと併せてまとめましたので、こちらをご覧下さい。ここでは、NVIDIA、AMDのGPU製品をまとめます。

NVIDIA、AMDのGPU

NVIDIA、AMDのGPUのブランド

 2社は下図の通り、用途に合わせて3ブランドを展開しています。

用途 NVIDIA AMD
個人向けの汎用製品
ゲーム、動画編集(DirectXに最適化)
TITAN/GeForce Radeon
企業向け上位モデル
3D、CAD、VR、AR(OpenGL、OpenXRに最適化)
Quadro FirePro
データセンターでの利用を想定
GPUコンピューティング(マイニング・ディープラーニング等)
Tesla FireStream

NVIDIAのGPU一例

GPU名 CUDAコア数 ベースクロック数 最大クロック数 VRAM容量/種類 TDP
TITAN X35841,417MHz1,531MHz12GB/GDDR5X250W
GeForce GTX 1080 Ti35841,480MHz1,582MHz11GB/GDDR5X250W
GeForce GTX 108025601,607MHz1,773MHz8GB/GDDR5X180W
GeForce GTX 1070 Ti24321,607MHz1,683MHz8GB/GDDR5180W
GeForce GTX 106012801,506MHz1,708MHz6GB・3GB/GDDR5120W
GeForce GTX 1050 Ti7681,290MHz1,392MHz4GB/GDDR575W
GeForce GTX 10506401,354MHz1,455MHz4GB/GDDR575W
GeForce GT 10303841,227MHz1,468MHz2GB/GDDR530W

 ※TDP:(Thermal Design Power / 熱設計電力)。発熱量の目安で、消費電力とも関係します。


AMDのGPU一例

GPU名 ストリーミング
プロセッサー数
ベースクロック数 最大クロック数 VRAM容量/種類 TDP
Radeon RX Vega 6440961,274MHz1,546MHz8GB/HBM2295W
Radeon RX Vega 5635841,156MHz1,471MHz8GB/HBM2210W
Radeon RX 58023041,257MHz1,340MHz8GB/GDDR5185W
Radeon RX 57020481,168MHz1,244MHz8GB/GDDR5150W
Radeon RX 560896/1,0241,175MHz1,275MHz4GB/GDDR580W
Radeon RX 550512/6401,287MHz1,287MHz4GB/GDDR550W
Radeon RX 5405121,219MHz1,219MHz4GB/GDDR550W

4.グラフィックボードメーカー

 BTOパソコンでもおなじみの台湾発メーカーASUSMSIを中心に、ELSA、GIGABYTE等多数のメーカーがグラフィックボードを発売しています。



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