SESの契約書と収入印紙

 SESの契約書と収入印紙についてまとめます。
 そもそもSESとはシステムエンジニアリングサービスの略語で、簡単にいうと、「技術者を現場に入れますよ。」というサービス、およびその契約のことを言います。
 お客様の現場にIT技術者が常駐する場合は、ほとんどこの契約形態です。
 よく言われるSES、請負、派遣という契約形態の違いは別ページにまとめます。ここでは、SESの契約書についてまとめます。

1.主なSESの契約書の種類

 SESの契約書の種類は、契約の時系列で考えると以下の種類があります。


・差入式秘密保持契約書(NDA)
 ↓
・基本契約書
・秘密保持契約書(NDA)
 ↓
・個別契約書

 新規の契約を得るために、先ず営業からスタートして「技術者いりませんか?人足りていますか?」という電話をかけたりして、新規の案件を探します。
 そこで「話を聞いてくれ」と言われた場合、先方の要望次第ですが、差入式秘密保持契約(NDA)を持参して話を聞きに行きます。
 この差入式秘密保持契約(NDA)は甲、乙両社の契約ではなく、訪問する側が、「知り得た秘密を洩らしません。」と相手側に一方的に、誓約するものです。
 システム関連の話になると、表面的な話だけでは済まず、どうしても社外に知られたくない情報についても話に入ってきてしまうからです。

 ここで話が成立し、「技術者がほしい。現場に入れてくれ。」となった場合、正式に契約を結ぶことになり、
 基本契約書秘密保持契約書(NDA)を取り交わすことになります。
 この基本契約書は著作権のこと、責任の所在など会社対会社の、基本的な取り決めをまとめるもので、技術者の名前や期間、単価など具体的なものは含みません。個別契約書の方で明記します。
 技術者のアンマッチが発生して場合に、技術者を入れ替えるとしても、個別契約書の取り付け直しだけで済ませる為です。
 この基本契約書のことを、IT業界では「契約」と云い、現状で「契約」のある業者からしか技術者を入れないというようなSIerも多く存在し、新規参入を難しくしています。

2.収入印紙の金額、マナー

 契約書に貼る収入印紙、仮に貼っていなかったとしても契約自体は有効です。もし貼っていなかった場合、印紙税法違反という別の問題になります。

 相手にも迷惑がかかりますので、正しい収入印紙の扱い方を考えます。


・差入式秘密保持契約書(NDA)
・秘密保持契約書(NDA)

 収入印紙は必要ありません。

・基本契約書
 7号文書(継続的取引の基本となる契約書)として扱われ、収入印紙4,000円必要です。契約書については2通作成して各々保管しますので、各々に収入印紙が必要です。ですので、4,000円×2となります。
 この2枚、どちらが収入印紙を負担するかについて、規定はありませんが原則は、各々が収入印紙を1枚ずつ準備し、以下の通り処理します。



 ところが、相手側が気を使ってくれたと勝手に捉えて、収入印紙付の方を自分の手元に残すことがあります。
 このため、別の方法として、契約締結後の契約書に各々自分で収入印紙を貼り、割り印(この場合は消印の意味になります。)するという方法もあります。
 原則に従ってはいないものの、この方法で問題になったことはありませんでした。
 原則に従うかどうかは、相手次第ということでしょうか。
 肝心なのは、契約書の押印の方ですから、収入印紙が主役にならないように気を付けたいものです。


・個別契約書

 技術者名、期間、単価等の具体的な内容を記載します。因みに個別契約書という名前ではなく注文書、注文請書として取扱う会社が多いです。
 収入印紙は、受け側、つまり注文請書にのみ貼ります。収入印紙を負担するのは、当然受け側です。
 収入印紙の金額は、契約金額により下図の通りです。



 SESの場合、月単価×契約期間で契約金額が決まります。図の通り、500万円を超えると急激に金額が上がることから、例えば、50万×12か月=600万円の契約の場合、このままだと収入印紙は10,000円なのですが、
 50万×6か月=300万円の契約2つに分割して、収入印紙を4,000円(2,000円×2)にします。


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