オペレーティングシステムの種類とサポート期間を整理します。
1.ディスクトップOS
ディスクトップOSの世界シェアはWindowsが全体の約90%。完全にシュア独占と言えます。
Linuxは2%を切り、もはやディスクトップOSとしてのニーズはありません。サーバーOSのみのニーズです。
macOSは、約7%。2018年には4%程度だったのでシュアを伸ばしています。
1-1.Windows
Windows 7以前のバージョンは全てサポート期間が終了し、現在使用を推奨されないバージョンとなりました。2017年12月現在でサポート期間内のWindowsは、
・Windows8.1
・Windows10
・Windows11
に限られます。
Windows8.1
Windows8発売後、スタートボタンがない、シャットダウンボタンが見当たらない等、数々の非難を受けてアップグレードされたバージョンです。2023年1月10日にサポートが切れます。
Windows10
Windows7以降、最も普及したOSです。2025年10月14日にサポートが切れます。
Windows11への無償アップグレードが提供されますが、Windows11のシステム要件が厳しく、PCの買替えが必要となり結局OSも買い替えとなる方も多いと思います。
~ エディションと機能、価格 ~
エディション |
Microsoft直販価格 |
備考 |
Windows10 Home |
¥19,008- |
個人向け。 |
Windows10 Pro |
¥27,864- |
一般企業向け。 Homeに対し、
・ローカルグループポリシー
・BitLocker(ドライブ暗号化)
・ドメイン参加
・リモート デスクトップ
等の機能が追加されている。従前WindowsのHomeとProの違いとほぼ同じ。
HomeとProの違いについてさらに詳しくは、Windows 10 エディション別 比較表(https://www.microsoft.com/ja-jp/windows/compare) |
Windows10 Enterprise |
個人販売なし 価格は非公表 |
大企業向け。 Proに対し、さらに厳格なセキュリティ機能と管理機能が提供されています。
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Windows10 Enterprise LTSB |
個人販売なし 価格は非公表 |
大企業向け。 Long Term Service Branchと呼ばれるEnterpriseの派生バージョン。
Enterpriseと機能的には同等ですが、無駄なアプリケーションを削ぎ落とし、さらにセキュリティアップデート、修正プログラム以外のWindowsUpdateについては自動更新しないというものです。
WindowsUpdateによる業務アプリケーションへの不具合を懸念して、以前までグループポリシー等により各会社で独自にコントロールしていたことをWindowsのバージョンとして用意してくれた、ということになります。
NTT DATA(http://www.intellilink.co.jp/article/column/ms02.html)が分かりやすい記事をまとめていらっしゃいます。
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Windows10 Enterprise E3 |
個人販売なし 7ドル/月 |
大企業向け。 Enterpriseと機能的には同等ですが販売方法が違います。 クラウドでの利用を前提としており、Azureのシェア拡大を図る切り札とも言えます。
販売はCSPと呼ばれるマイクロソフトのクラウドソリューションパートナー(ITベンダー各社)を介して行われます。
自社でセキュリティを考えるのではなく、クラウドに任せる時代がもうすぐそこに来ているのでしょうか。
さらに詳しくは、Windows 10 商用エディションの比較表(https://www.microsoft.com/ja-jp/windowsforbusiness/compare)
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Windows10 Enterprise E5 |
個人販売なし 14ドル/月 |
大企業向け。 Enterprise E3に対し、さらにWDATP(Windows Defender Advanced Threat Protection)、俗に言う標的型攻撃対策機能が提供されます。 |
※OEM版(PC購入時にプレインストールされたOS)、DSP版(PCパーツと併せて購入する場合に適用される割引販売のOS)についてはまとめていません。
※教育機関を対象とした、Education版についてはまとめていません。
Windows11
2021年10月4日にリリースとなった最新のWindowsです。
Windows11をインストールするために必要なシステム要件は以下の通りです。
~ Windows11のシステム要件 ~
項目 |
要件 |
CPU |
1GHz 以上 かつ 2コア以上の64ビット互換プロセッサまたはSystem on a Chip (SoC) |
メモリ |
4GB 以上 |
ストレージ |
64GB 以上 |
システム ファームウェア |
UEFI、セキュアブート対応 |
TPM |
TPM 2.0 |
グラフィックス カード |
DirectX 12 以上(WDDM 2.0 ドライバー)に対応。 |
ディスプレイ |
対角サイズ 9インチ以上で、8ビットカラーの高解像度(720p)ディスプレイ |
その他 |
Microsoftアカウント インターネット接続環境 |
問題となってくるのはCPU、UEFIセキュアブート、TPM 2.0です。大まかにですが2016年以前に購入したPCの場合、部品交換しないとほぼ無理だと思われます。おそらく買い替えた方が安く作業的にも安全でしょう。
2017年以降に購入したPCなら下図の手順で「PC正常性チェックアプリ」にてWindows11にアップグレード可能か確認して下さい。
Windows 11の公式サイトから「PC正常性チェックアプリ」をダウンロードできます。
アップグレード可能であればWindows11に無料でアップグレードできます。
1-2.macOS
昔は、その堅牢性、信頼性を例えてマックはフェラーリ、Windowsは大衆車といわれていた頃もありましたが、2017年11月29日、macOS High Sierraにおいてユーザーをroot、パスワードを空にした場合、ログインが可能という信じられないバグを出しました。
JPCERT CC(https://www.jpcert.or.jp/at/2017/at170045.html)
現在ではマック、Windowsどちらが堅牢性、信頼性が高いというわけではなく、作曲(MDI)、動画作成、デザイン等、クリエイティブ用途ならマック、ビジネス用途ならWindowsと使用用途により住み分けができているイメージです。
そもそも、macOSはLinuxベースのOSです。OS X(バージョン10)から、このLinuxベースに変わり、さらに名前をOS XからmacOSに変更しています。
以前のOSについてはMac OSやClassic Mac OS(※Mが大文字)と呼ばれる全くの別物で、iOSがこの流れを汲みます。こちらが直系です。
macOS
macOSは前提としてWindowsとは違い、OSのみで販売されておらず、あくまでもアップルの製品に付属するOSです。その付属する製品は、
・MacBook Air
・MacBook Pro
・iMac
・Mac Pro
・Mac mini
です。
~ バージョン ~
バージョン |
リリース日 |
コードネーム |
OS X v10.11 |
2015年09月30日 |
El Capitan |
macOS v10.12 |
2016年09月20日 |
Sierra |
macOS v10.13 |
2017年09月25日 |
High Sierra |
macOS v10.14 |
2018年06月05日 |
Mojave |
macOS v10.15 |
2019年06月13日 |
Catalina |
macOS v11 |
2020年06月22日 |
Big Sur |
macOS v12 |
2021年06月07日 |
Monterey |
ほぼ毎年、同時期に最新のOSがリリースされます。
~ アップグレード・サポート期間 ~
無償でアップグレードが提供されています。
アップグレードの際、元のOS、機種により新たなOSの一部機能が使用できない場合があります。
サポート期間は未発表ですが、4世代前となった時点でセキュリティアップデートがおおよそなくなると言われています。
この為、定期的に新しいOSへのアップグレードを続ける必要があります。
2.サーバーOS
サーバーOSについてはLinuxもしくはWindows Serverの2択です。明確なシェアについては、どの調査機関からも発表されていないようですが、業界内ではおよそLinux70%、Windows Server30%と云われていいます。
一般企業はWindows Serverを利用する反面、ネットワークインフラ企業、グラウド運営企業等はユーザー数、CPU数に応じて非常に高額になるWindows Serverは利用せずLinuxを利用します。
2-1.Linux
LinixはLinixカーネルと呼ばれるOSの基本ソフト(GPLで提供されるOSS:オープンソースです。)を利用し、これに様々なソフトウェアを追加し、パッケージングされたディストリビューションを総称的に呼ぶ言葉です。つまり、Linixを利用するということはLinuxのディストリビューションを利用することと云えます。
このLinuxのディストリビューションもほとんどは、OSSかつフリーです。このため、Windows Serverのように高額な費用がかからない反面、サポートは自己責任です。
このため、一部ディストリビューションでは企業に対して有償のサポートを行っているところもあります。
Linuxディストリビューションは一般企業ではあまり利用されていません。Linuxのサーバーを運用できる技術者の確保が難しく、例えLinuxのディストリビューションが無料でも、人件費を考えた場合、操作が簡単なWindows Serverを利用した方が総額で安くつからです。
一方で、ネットワークインフラ企業、グラウド運営企業、ゲーム業界などユーザー数の多いネットワークサービスを運営する企業は、Linuxサーバー一択です。Windows Serverはユーザー数、CPU数に応じて非常に高額になり、企業の経営を圧迫するからです。
~ Linux ディストリビューション ~
以下で紹介するUbuntu(46.7%)、Debian(17.4%)、CentOS(18.7%)で全体ディストリビューションシェアの約80%を占めています。※2021年10月現在くわしくはこちら。
Ubuntuが大幅にシェアの伸ばしている反面、Debianのシェアがどんどん下がっています。
ディストリビューション名 |
備考 |
Ubuntu |
南アフリカ発祥のDebian系のディストリビューションです。現在最大のシェアでUbuntuからさらに派生したディストリビューションが数多く存在しています。他のLinuxディストリビューションに比べて個人ユーザーが多いといわれています。 |
Debian |
Red Hatと同じくLinuxディストリビューションの老舗といえます。パッケージ管理システムはdebian形式と呼ばれる独自のもの[APT (Advanced Package Tool)]を採用しています。 |
CentOS |
Red Hat Enterprise Linuxのクローンです。Red Hat Enterprise Linuxが有償かつ有償サポートを実施しているのに対して、CentOSは無償。無保証です。 Ubuntu、Debianと違いパッケージ管理システムはRPM[Yum(Yellowdog Updater Modified)]です。 |
2-2.Windows Server
Windows Serverは、コマンドベースのLinuxに比べ、GUIで操作が簡単、管理が容易なため、多くの一般企業で利用されています。
また、社員がWindowsを利用する多くの企業では、ドメインコントローラーでグループポリシーを適用し、情報漏洩対策やセキュリティ対策する目的でWindows Serverが導入されます。
最新版はWindows Server 2022です。2021年8月18日にリリースされました。
2021年11月現在でサポート期間内のWindows Serverは、
・Windows Server 2012
・Windows Server 2012 R2
・Windows Server 2016
・Windows Server 2019
・Windows Server 2022
です。サポート期間は以下の通りです。
Windows Server |
延長サポート終了日 |
備考 |
Windows Server 2012 |
2023年01月10日 |
Windows8.1と同日に延長サポート終了 |
Windows Server 2012 R2 |
Windows Server 2016 |
2027年01月11日 |
|
Windows Server 2019 |
2029年01月08日 |
|
Windows Server 2022 |
2031年10月14日 |
|
Windows Server 2022
~ エディションと機能、価格 ~
3エディションともServerの機能としては同じです。(下位エディションには若干の機能制限あり)
仮想インスタンスの作成可能数によってエディションが分かれています。
エディション |
MIcrosoft参考価格 |
備考 |
Windows Server 2022 Essentials |
約56,600円 |
小規模企業向け。 25ユーザーおよび50デバイスという制約内でCAL購入不要です。 |
Windows Server 2022 Standard |
約120,800円 |
中規模企業向け。 2つまで仮想インスタンス作成可。 CPU(コア)数とCAL数により価格が決まります。上記価格は16コアの場合です。別途CAL購入必要です。 |
Windows Server 2022 Datacenter |
約695,515円 |
大企業向け。 無制限で仮想インスタンス作成可。 CPU(コア)数とCAL数により価格が決まります。上記価格は16コアの場合です。別途CAL購入必要です。 |
3.スマホOS
2021年10月現在、Android系が71%、iPhone系が28%。両OSでスマホOSの世界シェア約99%を占めます。
3-1.Android
Googleが開発したLinuxベースのスマートフォン、タブレット用OSです。
~ バージョン ~
バージョン |
リリース日 |
コードネーム |
Android 6.0 |
2015年10月05日 |
Marshmallow |
Android 7.1 |
2016年12月05日 |
Nougat |
Android 8.1 |
2017年12月05日 |
Oreo |
Android 9 |
2018年08月06日 |
Pie |
Android 10 |
2019年09月03日 |
Q |
Android 11 |
2020年09月08日 |
R |
Android 12 |
2021年10月04日 |
S |
ほぼ毎年、最新のOSがリリースされます。
~ アップグレード・サポート期間 ~
無償でアップグレードが提供されています。
アップグレードの際、元のOS、機種により新たなOSの一部機能が使用できない場合があります。
サポート期間は未発表ですが、4世代前となった時点でセキュリティアップデートがおおよそなくなると言われています。
この為、定期的に新しいOSへのアップグレードを続ける必要があると言えます。
3-2.iOS
macOSをベースにタッチパネル等の機能を追加したLinuxベースのスマートフォン、タブレット用OSです。
iPhone、iPad、iPod touch に標準搭載されています。
~ バージョン ~
バージョン |
リリース日 |
標準搭載機 |
iOS 10.0 |
2016年9月14日 |
iPhone7、iPhone7 Plus |
iOS 11.0 |
2017年9月20日 |
iPhone 8、iPhone 8 Plus、iPhone X |
iOS 12.0 |
2018年9月17日 |
iPhone XR、iPhone XS、iPhone XS Max |
iOS 13.0 |
2019年9月19日 |
iPhone 11、iPhone 11 Pro、iPhone 11 Pro Max、iPhone SE |
iOS 14.0 |
2020年9月19日 |
iPhone 12 mini、iPhone 12、iPhone 12 Pro、iPhone 12 Pro Max |
iOS 15.0 |
2021年9月21日 |
iPhone 13 mini、iPhone 13、iPhone 13 Pro、iPhone 13 Pro Max |
ほぼ毎年、最新のメジャーバージョンのOSがリリースされます。
~ アップグレード・サポート期間 ~
無償でアップグレードが提供されています。
アップグレードの際、元のOS、機種により新たなOSの一部機能が使用できない場合があります。
サポート期間は未発表ですが、4世代前となった時点でセキュリティアップデートがおおよそなくなると言われています。
この為、定期的に新しいOSへのアップグレードを続ける必要があると言えます。