RPA、BRMS 効率化を目指す取り組み

 システムはそもそも、業務を効率化するためにあります。特に単純な繰り返し作業は、システムとって、効率化による結果を出しやすい得意分野です。
 例えば伝票入力するだけで、納品書、送付状の発行から請求書発行、銀行からの入金管理、督促、簿記の自動入力までの一連の処理をシステム化すれば、ヒューマンエラーの抑止、業務効率化につながり、結果、勤務時間の短縮、人件費の抑制が進み、企業にとって、大きなメリットとなります。

 このシステムによる業務の効率化を、AIを利用することで、さらに一歩進め、単純な繰り返し作業だけではない複雑なホワイトカラーの業務まで対象にしようとする動きが進んでいます。
 この考え方はRPAと呼ばれています。2017年前半から、盛んに宣伝されるようになりました。好景気が続き、人材の確保が難しくなってきている、そして「働き方改革」が盛んに言われる時代背景によるものでしょう。

 また、アプローチは違うのですが、たとえ、システム化して業務を効率化しても、その分システム開発費用が高くつき、結果、メリットが感じられない。というケースが良くあります。
 これを、解決するための一つの方法として、BRMSという開発手法が考えられました。システムの機能を単純な「ルールのかたまり」ととらえ、そのルールを組み合わせてシステム開発することで、部品(ルール)の共通化を図り、無駄な開発を抑えようというものです。

 ここでは業務効率化の「RPA」、システムの効率化「BRMS」についてまとめたいと思います。


1.RPA(Robotic Process Automation)

 複雑なホワイトカラーの業務をAIを利用して自動化するというものです。
 この「RPA」は、Wikipediaに用語として2016年4月に登録されています。明確な出典の根拠は掲載されていません。
 その後、2017年5月に日経コンピュータで「RPA」の特集記事が組まれ、IT業界において「RPA」という用語が世に出たという、マーケティング由来としか思えない用語です。
 今後「RPA」は用語として成長してITパスポートなどの試験で出題される用語となるのでしょうか。

 用語はさておき、RPAの指し示す意図は、理解できるものです。「ホワイトカラーの業務を自動化すること」を目指し、具体的には1アプリケーションではなく、複数のアプリケーションを横断的に学習し、代理で処理を行うとされています。
 例えば、交通費清算の場合、ネットで交通費を調べる、期間によっては定期代を調べる、EXCELの清算書に入力する、という一連の行動をコンピューターに記憶させることで、以後コンピューターがその操作を肩代わりします。

 EXCELのマクロもある意味、RPAと言えると思いますが、アプリケーションを横断的に学習するというところは違います。(明確な定義がないのでそうとも言えない所はありますが。)
 アップルのSiri、WindowsのCortanaの方が近いと言えます。

RPA製品

 RPAの製品としてはソフトバンクが「SynchRoid」、NTTデータが「WinActor」を販売しています。


SynchRoid:ソフトバンク

 サードパーティであるRPAテクノロジーズの製品「BizRobo!」のソフトバンク版です。RPAテクノロジーズとの業務提携により自社製品名をつけ、販売しています。

SynchRoid(https://www.softbank.jp/corp/group/sbm/news/press/2017/20171019_01/)


WinActor:NTTデータ

 そもそも業務効率化ツールとして開発販売していたものですが、後付ですが「RPAツール」として扱われています。

WinActor(http://www.nttd-bb.com/service/winactor/)


その他、UiPath、Automation Anywhere、Kofax Kapow等の外国製品。これらは販売にコンサルが関わってくると思います。富士通、NECも積極的なRPA製品開発、販売の動きがあります。


懸念事項

 懸念事項として、BaiduのIMEが思い出されるのですが、アプリケーションを横断的に学習させようとすると、記録を目的に、実質キーロガーの機能を持つアプリケーションをOSにインストールする必要が出てきます。
 このキーロガーは、悪意ある場合、会社の重要情報の漏洩につながる致命的なバックドアになります。
 RPAを導入する企業は、このセキュリティリスクを十分考慮する必要があります。
 信頼関係のないサードパーティのRPA製品を利用する場合、キーロガーの性質を考慮し、スニファーツール等での通信調査等、十分な事前導入検証が必要だと思われます。

 AIは進化を続けているとは言え、ホワイトカラーの業務を自動化するというのは言い過ぎではないでしょうか。現状では、あくまで理想論であり、発展途上の製品を導入させられることになりかねないと思います。

2.BRMS(Business Rule Management System)

 BRMSも、2010年頃、いきなり出てきた用語でした。

 例えば「日付をチェックする」という作業があったとして「休日かどうかチェックする」「未来日付かどうかチェックする」というようにビジネス上チェックしなければならないことを、ルールとして細分化した上で、各々を独立したプログラムとして開発する手法です。
 休日チェックは必要だけれど、未来日付のチェックは必要ないという場合も、プログラムが独立してしているので、そのルールを適用するかしないかというだけの話にできます。
 この独立したプログラムを組み合わせることで一つのアプリケーションを作成します。

 実際システム開発者は、無意識にBRMSを実践しています。そもそもオブジェクト指向の概念そのものだからです。ですが、このBRMSを意識して開発を進めると、よりクラスの機能が明確に絞られることを意識しながらプログラムするようになる、と言われています。

 このBRMSの手法を実践した場合の最大のメリットは、
 ・急な仕様変更にも柔軟に対応できるようになること
 ・他のアプリケーションへの再利用が容易になること
 です。

 急な仕様変更にも柔軟に対応できるようになるというのは、上記の例の場合「休日かどうかをチェックする。」ことが不要になった場合、そのルールのみ無効化すれば良いからです。
 他のアプリケーションへの再利用が容易になるというのは、プログラムを細かく分離して作成することで、汎用的なモジュールが多く作成されることにつながり、他システムで容易に使用できるモジュールが多数生み出されるからです。

 この開発手法に沿って作成されたツールをBRMSツールと呼び、製品として販売されています。
 例えば、Force.comはSalesForce.comが手掛けるBRMSツールです。
 ユーザーはビジネスルールを規定してゆくだけで、短期間でシステムを開発できるというものです。
 但し、2010年頃脚光を浴びていましたが、最近はあまり話を聞きません。これも理想論であり、企業独自のルールに対応できなかったのでしょうか。

 後、余談ですがCASE(Computer Aided Software Engineering)という用語もあります。



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