ライブ配信サイトまとめ

 ライブ配信サイトを利用することで、今や、芸能人だけでなく一般人が、何の機材的な準備もなく、スマホ一つでライブ配信できる時代となりました。
 現在は過渡期で、サイトが乱立している状態です。SNS各社もライブ機能を相次いでリリースしています。
 これらサイトは、動画のストリーミング配信のオンデマンド配信(VOD)、ライブ配信(LIVE)の内、よりシビアな配信技術を要求される、ライブ配信(LIVE)を行うサイトです。
 具体的にはには、HLS、RTSPを利用してストリーミング配信を実現し、テキストベースのチャット、コメント機能でリアルタイムの会話を補完しています。
 ここではライブ配信サイトを、その機能に着目してまとめていきます。

目次
1.SHOWROOM
2.FRESH!
3.その他

1.SHOWROOM

SHOWROOM(https://www.showroom-live.com/)

 2013年にDeNAが始めたライブ配信サイトです。現在は分社化されSHOWROOM株式会社が運営しています。
 サイト開始当初は芸能人やアイドルだけがライブを配信していましたたが、現在は一般ユーザーが自由に配信できるようになっています。
 ギフティング(投げ銭機能)、いわゆるアイテム課金システムのパイオニアで、配信中に「東京タワーありがとうございます。」とパフォーマーがいうのは、最高額1万円のアイテム「東京タワー」がギフティングされたことを意味します。この数パーセントを、運営者が利益とすることによりビジネスモデルとして成立しています。

 ~ 主な機能 ~ 

機能 説明
会員登録 LIVE閲覧だけなら会員登録不要です。
コメント投稿、ギフティング、LIVE配信するには会員登録が必要です。
SNSで会員登録ができるのは、Twitter、Facebookです。
通常の新規会員登録する場合、「ユーザーID、パスワード、ニックネーム」を入力するだけ。電話番号認証なし。メール認証すらなし。つまり複数アカウント作成可能です。
決済 ギフト等、サイト内の商品購入には「Show Gold」というサイト内の通貨を利用します。
「Show Gold」は、
PCの場合:クレジットカード、電子マネー(Web Money、NET CASH、BitCash)を利用してサイト内で購入できます。
スマホの場合:アプリ内課金でApp StoreまたはGooglePlayで購入できます。
グローバル 日本語、英語、中国語、タイ語
通常配信 動画プレーヤー:Flashに依存しており、Flash Playerを有効にしないと閲覧できません。

PCからの配信の場合:エンコーダーとして、
Open Broadcaster Software(:OBS)
・Adobe Flash Media Live Encoder ※2016/9/1にAdobeのサポート終了
・SHOWROOM Producer(SHOWROOM独自)
が利用できますが、Adobe Flash Media Live EncoderとSHOWROOM ProducerはFlashに依存しており、今後、メンテナンスを実施しないとのことです。OBSの使用が推奨されています。
ブラウザからFlashプラグインを利用した簡易的な配信にも対応しています。


スマホからの配信の場合:アプリから配信します。

ライブ配信専用機器:Cerevo社のライブ配信専用機器「LiveShell」シリーズの利用が可能です。


エンコードの推奨設定は、以下の通りです。
映像
コーデック H.264 Baseline
フレームレート 30.0fps
解像度 640px × 360px
ビットレート 500kbps
音声
コーデック AAC
チャンネル ステレオ
サンプリングレート 44.1kHz
ビットレート 96kbps
VR配信 VRビデオカメラ:HDMIスルー出力に対応したVRビデオカメラが必要で、SHOWROOMでの動作確認済として以下の機器が紹介されています。
RICOH THETA S
改造済みGoPro+Entaniya Fisheye 280

HDMIビデオキャプチャユニット:HDMI信号をパソコンに入力するためのキャプチャユニットです。通常のパソコンはHDMIポートを搭載していても、ほとんどは出力専用のため、別途、入力用のユニットが必要となります。SHOWROOMでの動作確認済として以下の機器が紹介されています。
Blackmagic Design UltraStudio Mini Recorder (Mac)
Blackmagic Design Intensity Shuttle for USB 3.0 (Windows/Mac)

その他:エンコーダーは通常配信と同じでOKとされています。PCはHDMIビデオキャプチャユニットに対応するものを利用し、回線は有線LANを利用することが推奨されています。
コンテンツ保護 キャプチャーツールに対する対策がとれません。

2.FRESH!

FRESH!(https://freshlive.tv/)

 2016年にサイバーエージェントが始めたライブ配信サイトです。ライブ配信サイトとしては後発です。
 サイバーエージェントは同様の配信サイト「AbemaTV」をテレビ朝日と共同出資で、同じく2016年から開始していますが、こちらはインターネットテレビです。一般人が投稿できるという仕組みはありません。テレビと同レベルの番組を配信しており、番組配信中にテレビさながらのCMも流れます。このCMの広告収入及び見逃し番組の月額視聴契約でビジネスモデル化されています。
 一方、FRESH!も、広告収入によるビジネスモデルという点では同じなのですが、こちらはライブ配信サイトです。インターネット上でライブ配信のプラットフォームを提供しているだけで、FRESH自ら番組を制作していません。又、AbemaTVは国内のみ視聴可能なのに対して、FRESH!は海外でも閲覧できます。AbemaTVはテレビの再放送も多く、権利的な問題があるのだと思います。
 FRESHは、配信者が利益を上げることができるように、広告収入はもちろん、「有料チャンネル」の設定ができ、月額120円から自由に金額を設定して、会員以外見ることができないという設定が可能です。
 SHOWROOMが閲覧は自由で投げ銭による収益化を図っているのに対し、FRESH!はその点が大きく異ります。双方向性もほとんどなく、閲覧者のコメントが表示される程度です。ニコニコ生放送とビジネスモデルは近いです。

 ~ 主な機能 ~ 

機能 説明
会員登録 無料チャンネル視聴だけなら会員登録不要です。
コメント投稿、有料チャンネル視聴、LIVE配信するには会員登録が必要です。
SNSで会員登録ができるのは、Twitter、Facebook、Ameba、Google+、YahooID、mixi、楽天会員ID。ほとんど全てに対応しています。
通常の新規会員登録する場合、「メール、ユーザー名、パスワード、生年月日、性別」を入力し、メール認証します。電話番号認証なし。フリーメール可。つまり複数アカウント作成可能です。作成されるのはAmebaアカウントです。
決済 月額有料チャンネル会員へ直接申し込み、または「FRESH!コイン」というサイト内通貨を購入して各種サービスを利用します。

PCの場合GMO PAYMENT GATEWAYの決済代行サービスを利用します。
スマホの場合:アプリ内課金でApp StoreまたはGooglePlayで購入できます。
グローバル 日本語、英語
通常配信 動画プレーヤー:MSEを利用したプレーヤーで、IEを除き脱Flash化しています。IEのみ旧プレーヤーでFlash Playerを有効にしないと閲覧できません。

PCからの配信の場合:エンコーダーとして、
Open Broadcaster Software(:OBS)
Wirecast
Xsplit
 が紹介されています。

スマホからの配信の場合:配信専用の独自アプリFRESH!CASTと、
Wowza Go coder
Wirecast Go※iOSのみ
 が紹介されています。

ライブ配信専用機器:Cerevo社のライブ配信専用機器「LiveShell」シリーズの利用が可能です。

エンコードの推奨設定は、以下の通りです。
映像
コーデック H.264 main
フレームレート 30.0fps
解像度 1280px × 720px
ビットレート 2000kbps ※カクつく場合1000kbps
音声
コーデック AAC
チャンネル ステレオ
サンプリングレート 48kHz
ビットレート 160kbps

FRESH!配信者向け管理画面に「FRESH!配信者向け利用マニュアル」が用意されており、各機器ごとのエンコード設定方法がマニュアル化されています。
VR配信 現在のところ対応していないようです。

3.その他

 ライブ配信サイトとしてSHOWROOMとFRESH!を紹介しましたが、その他のライブ配信サイトもビジネスモデルとしては、SHOWROOMのように投げ銭か、FRESH!のように広告収入か、どちらかのタイプに分類できます。

 ~ ライブ配信サイト一覧 ~ 

サイト名 ビジネス
モデル
最大解像度 備考
SHOWROOM 投げ銭
640px × 360px ライブ配信のみならず日本国内の動画配信アプリの収益性ランキングで首位といわれています。
FRESH! 広告収入
1280px × 720px 有料チャンネル設定、ライブファンディングというパフォーマー向けの収益策あり。
YouTube Live 広告収入
3840px × 2160px YouTube内のライブ配信サービスです。
配信者側、閲覧者側が対応できない場合が多いですが、解像度は4Kまで対応可能な、驚くべきプラットフォームです。
有料会員はなく、広告収入オンリーです。
ニコニコ生放送 広告収入
1280px × 720px ニコニコサイト内のライブ配信サービスです。
プレミアム会員の場合、優先視聴、混雑時の低画質モード回避、広告非表示などのメリットがあります。月額540円税込。
17Live 投げ銭
640px × 360px
※公式アナウンスなし
台湾発のライブ配信サービスです。配信者は、ほとんど一般人です。スマホ配信のみでPC配信はありません。
まったく技術資料が出てきません。
TwitCasting 投げ銭
640px × 360px モイ株式会社が運営するライブ配信サービスです。配信者は、ほとんど一般人です。
Ustream -
- 老舗の高解像度ライブ配信サイトでしたが、2016にIBMに買収され、「IBM Cloud Video」に事業移行し今後はBtoB向けサービスをメインにすることになりました。
Ustreamサイトは閉鎖されました。
Tik Tok 広告収入
(企業側のみ)
640px × 360px 中国のニュースアプリを配信する会社が立ち上げたクリップ動画配信サイトです。配信者に収益が配分されないのですが、中高学生を中心に何故か人気になっています。

 この他、ほとんどのSNSサイトがライブ機能(インスタライブ、Twitterライブ、Facebookライブ、Lineライブ)をサービスインしています。

 ニコニコ生放送、ニコニコ動画を運営する「カドカワ」のウェブサービス部門は2018年10億円の赤字に転落しました。会員数の大幅な減少によるものです。今後は投げ銭方式を積極的に導入するとのことです。



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