IT業界でよく読まれる雑誌

 「日経新聞を読まないと、会社で回りの話について行けません。」これは良く聞く話ですし、特に金融や証券会社の人は、朝からかなりシビアに読み込むそうです。
 昔、取引先の管理職レベルの方が、「広告欄まで全部読め。そこにチャンスが隠れていることがある。」という話を部下にされているのを聞き、正直驚きました。

 IT業界でも、新聞ではありませんが、必ず読んでおかないとまずい雑誌があります。
 それは「日経コンピュータ」
 この雑誌は、ITの専門的な内容が書かれている訳ではなく、初心者にも読みやすいものです。例えば、古い話ですがIBMとスルガ銀行のIT請負契約における最高裁判決だったり、国の発注した特許庁のシステム開発が一度破たんして、税金の無駄遣いになった話だったり、ベネッセの情報漏洩の話であったり、いわゆるIT業界のニュースを掲載した雑誌です。
 なぜ読んでおかないとまずいかというと、取引先いわゆるプロパーのシステム部長クラスがこの本を読んで、話をしてくるからです。
 IT業界のニュースのほか、特集記事で製品紹介が掲載されていて、その製品の良し悪しをベンダーに質問しに来られたりします。

 もちろん、立場によって、現場によって様々ですので、読んでおかないとまずい、というのは言い過ぎかもしれませんが、私の係った現場では、なかなかの高確率で、この雑誌を読む方を見かけました。

 ここでは、「日経コンピュータ」をはじめIT業界でよく読まれている雑誌をまとめたいと思います。

 なお、何故IT雑誌についてあえて記事にまとめようと思ったのかというと、上記のような例もあり「読んでおいた方がいいですよ。」と言いたかったのもあるのですが、本屋でよく販売されている「はじめての~」、「基礎からの~」というような入門書の品質があまりに悪いので「雑誌を読んだ方が良いですよ。」と言いたかったからです。

 「日経コンピュータ」にしても、「日経ソフトウェア」にしても読み続けていれば、入門書レベルの知識はすぐ得られますし、何より当然の話だと思いますが、校正を十分行っているから、誤字、脱字は少なく、また一定のレベル以上の内容の記事が多いのです。

 一方で、「はじめての~」、「基礎からの~」というような入門書で、名前は挙げませんが、とある本は「一度でも読み返してから入稿したのか?」というくらい誤字、脱字が多く、内容が入ってこないくらいでした。また、その内容も稚拙なものでした。
 情報の鮮度が売れ行きに大きく影響するので、とにかく競合よりも早く発売したいという意図はよく分かるのですが、購入する側にとって、これでは、たまったものではありません。

 以下で紹介する雑誌は、内容的にも、しっかりした雑誌ばかりです。これらの雑誌あるいはムック本とWEB上での情報収集で、入門書を買わずとも、十分なITの基礎知識が身に付くのではないでしょうか。
 どうしても入門書が必要なときは、表紙を見て衝動買いするのではなく、amazon等のレビューを確認してから購入した方が良いと思います。


※資格の参考書、問題集は別です。ひどい本もありますが、購入して学習した方が体系的に学習できるので、効率が良いと思います。良く選んで購入して下さい。

1.日経コンピュータ


  日経BP社
  隔週木曜日発行
  1,180円(税込)


 ITの企画・開発・活用を牽引するマネージャー/リーダーのためのIT総合情報誌です。初心者にも読みやすいですので、IT業界の方はとにかく読んでおいた方が良いと思います。
 継続して読むことで、業界のトレンドが把握できると思います。時々ステマが混じっている気もするのですが、影響力の大きい雑誌ですので、それも仕方ない事かと。

2.日経ネットワーク


  日経BP社
  毎月28日発行
  1,920円(税込)


 セキュリティや企業ネットワークを中心として、ネットワーク技術に関するすべての情報が網羅された、ネットワークの総合情報誌です。
 初心者の方が読むには、かなりつらいレベルですが、継続して読むことで、気付かないうちに、相当なレベルのネットワーク知識を持てるようになると思います。
 ネックはページ数が少ないのに価格が高いことでしょうか。

3.日経ソフトウェア


  日経BP社
  奇数月24日発行
  1,500円(税込)


 最近、ラズパイであったり個人向けの特集が多くなり、企業向けのソフトウェア学習雑誌ではなくなってきたような気がします。
 ですが、依然としてCやJava等のプログラム言語の学習記事が充実しています。

4.Software Design


  技術評論社
  毎月18日発行
  1,220円(税抜)


 ソフトウェアと言いつつ、内容はOS(Linuxが多いです)やGit(バージョン管理ツール)など、アーキテクチャ中心の雑誌です。CやJava等の記事はあまりありません。
 この雑誌を含め、技術評論社の雑誌は全般的に内容が充実していると思います。

5.WEB+DB PRESS


  技術評論社
  偶数月24日発行
  1,480円(税抜)


 WEBアプリケーション技術に特化したプログラミング言語及びデータベースの知識がまとめられています。SE、PGが読むソフトウェア学習雑誌としては、一番の雑誌だと思います。

6.MdN


  インプレス
  毎月6日発行
  1,380円(税抜)


 WEBデザイナー御用達の、ITデザイン、グラフィック、DTP系雑誌です。HTML5などプログラム特集は浅く、主にIllustratorやPhotoshopのテクニックや根本的なデザイン手法を学ばせてくれます。

7.日経パソコン


  日経BP社
  隔週第2・第4月曜日発行
  1,240円 (税込)


 主に、個人向けのパソコン雑誌です。パソコン、CPU、USBなどハード最新情報と、OSや、ExcelやWord等ビジネスアプリケーションのスキルを学ぶことができます。

8.日経PC21


  日経BP社
  毎月24日発行
  650円〜780円 (税込)


 主に、個人向けのパソコン雑誌です。昔はExcel、Word等ビジネスアプリケーションのスキルに特化した雑誌でしたが、現在ではパソコン、OS、CPU、USBなどハード最新情報と、OSや、ExcelやWord等ビジネスアプリケーションのスキルという内容で、ほぼ日経パソコンと同じような雑誌になりました。

9.メーカーのカタログ

 ここまで、雑誌を紹介してきたのですが、それだけでは不足する情報があります。
 それはサーバー、ネットワーク関連の製品知識です。
 個人向けの製品知識は日経パソコンや日経PC21から得られますが、企業で購入するサーバー、ネットワーク製品については掲載されていません。

 そこで、各メーカのサイトから、定期的にカタログをダウンロードして読むようにすれば良いと思います。カタログに製品の価格は記載されていませんが、これは販社に聞く訳にもいかないので、分からなくてしょうがないと思います。


例:HP(Hewlett Packard)のカタログ(http://h50146.www5.hpe.com/doc/catalog/general/)


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