ここでは映像音声入出力インターフェースについてまとめます。
1.映像入出力インターフェース
1-1.D-Sub
旧規格であり、徐々に減って来ていますが、依然としてパソコン本体とモニターを接続するインターフェースとして残っています。端子数が15であることからD-Sub15ピンとも呼ばれます。VGA端子(RGB端子)とも呼ばれます。
この規格はアナログ方式の伝送であるため、デジタル方式に劣ります。パソコン、モニタともに内部はデジタル方式であるため、無駄なデジタル/アナログ変換が出入力双方で行われるため、画面描写に遅延を発生させる要因になります。昔、CRTディスプレイというアナログ方式のディスプレイがあった頃には必須のインターフェースでしたが、現状では無意味な変換となっています。
最大解像度が最新の4Kに対応できません。今後4Kの普及とともに姿を消すと思われます。

インターフェース名 |
アナログ/デジタル |
最大解像度 |
最大リフレッシュレート |
音声対応 |
D-Sub VGA端子 |
アナログ |
1920px × 1080px フルHD |
60Hz |
× 映像のみ |
※最大リフレッシュレート:
リフレッシュレートとは主にパソコンのモニターにおいて1秒間で何回画面を更新するかを示す値でHzで表します。リフレッシュレートは標準で60Hz前後で、この場合1秒間に60回画面を更新します。これ以上低いと画面のちらつきの原因となります。ゲーム等動きの多い画面ではさらに高くリフレッシュレートを設定する必要があります。この回数はモニターのプロパティで設定できますがモニターの性能によりその最大リフレッシュレートは違います。なおこのリフレッシュレートは動画でいうfpsと考え方は全く同じです。
1-2.DVI
これも旧規格で、徐々に減って来ています。色々な規格があり複雑です。
インターフェース名 |
アナログ/デジタル |
DVI-A |
アナログ |
DVI-I |
デジタル/アナログ併用 |
DVI-D |
デジタル |
上記3つの規格に分かれます。DVI-Aは既に市場になく、現状はDVI-I、DVI-Dのどちらかです。このDVI-IとDVI-Dはシングルリンクとデュアルリンクにさらに分かれます。
インターフェース名 |
アナログ/デジタル |
シングル/デュアル |
ピン数 |
DVI-I |
デジタル/アナログ併用 |
シングル |
23ピン |
デュアル |
29ピン |
DVI-D |
デジタル |
シングル |
18ピン |
デュアル |
24ピン |
下図の通り各々判断できます。シングルとデュアルはインターフェースが違うと、下位の規格となるため注意が必要です。DVI-IとDVI-Dは両方デジタルに対応しているため、それほど気にする必要はありません。ケーブルもデジタルしか現在販売されていません。

インターフェース名 |
アナログ/デジタル |
最大解像度 |
最大リフレッシュレート |
音声対応 |
DVI-D シングル |
デジタル |
1920px × 1200px WUXGA |
30Hz |
× 映像のみ |
DVI-D デュアル |
デジタル |
3840px × 2160px 4K |
30Hz |
× 映像のみ |
※DVI-Iを利用する場合、現在アナログでは利用しないのでDVI-Dのシングル又はデュアルと同じ解像度、リフレッシュレートとなります。
1-3.Mini DVI
昔、アップルのPowerBookにインターフェースとして付いていました。形が小さいだけでDVI-Dとピン数含め性能は同じです。

1-4.HDMI
現在最も普及が進んでいる規格です。元々はテレビやレコーダー等を接続するオーディオ向けの規格でしたが、パソコンでもインターフェースとして利用されるようになりました。技術的にはDVI-Dをベースに音声伝送やDRM(著作権保護)などのインターフェース規格が追加されています。
1.0→1.1→1.2→1.3と度重なる規格のバージョンアップがあったため、同じHDMIでもバージョンが違う場合、下位規格に統一されるため注意が必要です。
4K・8K放送開始に向けて、テレビやオーディオ機器が先行していますが、最新規格HDMI2.0対応の製品が増えています。この場合、通常のHDMIケーブルではなくハイグレードタイプと呼ばれる18Gbps転送に対応したケーブルが必要になります。

インターフェース名 |
アナログ/デジタル |
最大解像度 |
最大リフレッシュレート |
音声対応 |
HDMI |
デジタル |
3840px × 2160px 4K |
30Hz |
○ ケーブル不要 |
※最大解像度2560px×1600px:2K、最大リフレッシュレート60Hzと表現される場合もありますが、30Hzにすることで4Kに対応可能です。HDMIのバージョン1.3以降は120Hzに対応したため、その場合4Kで表すと60Hzとなります。尚、バージョン1.Xの最大転送速度は10.2Gbps。バージョン2.0からは18.0Gbpsです。
1-5.Mini HDMI、Micro HDMI
タブレットやモバイル端末にインターフェースとして付いています。形が小さいだけでHDMIとピン数含め性能は同じです。

1-6.DisplayPort
HDMIの対抗インターフェースとして急速に普及が進む規格です。性能面ではHDMIと同等レベルでほとんど変わりありません。HDMIがテレビやレコーダー等を接続するオーディオ向けの規格であったのに対し、DisplayPortは最初からPCのインターフェースとして規格化されており、複数のディスプレイを数珠つなぎにするだけでマルチディスプレイ環境にできるなど、独自の機能を持ちます。

インターフェース名 |
アナログ/デジタル |
最大解像度 |
最大リフレッシュレート |
音声対応 |
DisplayPort |
デジタル |
3840px × 2160px 4K |
60Hz |
○ ケーブル不要 |
※最大解像度2560px×1600px:2K、最大リフレッシュレート120Hzと表現される場合もありますが、60Hzにすることで4Kに対応可能です。尚、この規格の最大転送速度は10.8Gbpsです。
1-7.Mini DisplayPort
アップルのMacBookにインターフェースとして付いています。形が小さいだけでDisplayPortとピン数含め性能は同じです。

2.音声入出力インターフェース
パソコンの機種にもよりますが、多くの場合ステレオミニプラグに対応しているのみです。現在ではパソコンを使って作曲等、音楽用途でパソコンを利用する機会も多くなりました。企業でも各種ナレーションの録音を行う場面あり、この場合は、専用のアンプをUSBでパソコンに接続して利用します。
ここでは、デフォルトのインターフェースであるステレオミニプラグの紹介のみに留めます。
2-1.オーディオステレオミニプラグ
パソコンに標準で付属する一般的なオーディオインターフェースです。端子はフォーン端子とも呼ばれ、ステレオミニプラグの場合は直径3.5mm、3極構造です。
下図のように、
プラグの大きさからマイクロ / ミニ / 標準
音声のチャンネル数から2極 / 3極
2極:スリーブ(接続制御)+音声のモノラル
3極:スリーブ(接続制御)+音声(左)+音声(右)のステレオ
に分かれます。
通常パソコンに付属するインターフェース
インターフェース名 |
直径 |
極数 |
ステレオ/モノラル |
マイクロプラグ |
2.5mm |
2極 |
モノラル |
マイクロプラグ |
2.5mm |
3極 |
ステレオ |
ミニプラグ |
3.5mm |
2極 |
モノラル |
ミニプラグ |
3.5mm |
3極 |
ステレオ |
標準プラグ |
6.3mm |
2極 |
モノラル |
標準プラグ |
6.3mm |
3極 |
ステレオ |
※4極という規格もあります。これは3極にマイク機能を追加したものです。4極の場合、CITAとOMTPという並び順の違う2つの規格があるため注意が必要です。
