フラッシュメモリは、高速なデータアクセス、データ転送が可能な、不揮発性記憶集積回路です。
USBメモリ、SDメモリカード、携帯音楽プレーヤーを始め、最近はスマホの記憶装置、SSDによって大きく需要が伸びました。
ここでは、このフラッシュメモリの概要とUSB、SDメモリカード製品についてまとめます。
1.フラッシュメモリとは
電圧をかけていないとデータが消えるDRAMに対し、電圧をかけていなくてもデータが消えないつまり電源のON/OFFに左右されない記憶集積回路のことです。このことより不揮発性記憶集積回路と呼ばれます。
NAND型とNOR型のフラッシュメモリがあります。USBメモリ、SDメモリカード、SSD等、記憶用途のデバイスは全てNAND型のフラッシュメモリです。
対してNOR型のフラッシュメモリはNAND型に比べ、「書込みが遅い」、「集積率が悪いため高価」ですが、「エラー訂正が不要な高信頼性」と「読込みが速い」ことから各種周辺機器のファームウェア、パソコンではBIOS(UEFI)に利用されています。
フラッシュメモリの問題は、半導体素子の劣化により寿命があることです。書き換え可能回数に上限があるほか、記録内容の保持期間も有限(10年から数十年)です。今後改善されていくと思いますが、現状ではHDDからSSDへの移行に際して、この件が問題となります。
2.USBメモリ
外付けのNAND型フラッシュメモリです。
容量
容量は現在最高2TBが発売されていますが非常に高価です。(フラッグシップ目的の商品です。)
2TB USBメモリ Kingston Technology(引用:ASCII.jp)
一般的なライナンップは256GB、128GB、64GB、32GB、16GB、8GB、4GB、2GB、1GBです。
インターフェース規格
インターフェース規格は2018年3月現在、以下の通りです。
インターフェース |
転送速度(MB/s) |
転送速度(bps) |
最大ケーブル長 |
USB3.1 |
1250MB/s |
10Gbps |
1m |
USB3.0 |
625MB/s |
5Gbps |
5m |
USB2.0 |
60MB/s |
480Mbps |
5m |
USB3.2仕様が2017年9月発表され、2019年の年末にはUSB3.2に対応した製品が登場すると言われています。転送速度は20Gbps。この規格から端子形状はTypeC前提です。
USB4.0の仕様が2019年3月発表されました。製品化の時期は未定とされています。転送速度は40Gbpsです。
端子形状
USB3.1では新しい端子形状TypeCが規定されました。TypeCは現行のTypeAと形が違います。互換性はありませんので、変換アダプタを使う必要があります。
既にMacBookはTypeCのUSBポートしかありません。今後発売されるPCも徐々にTypeCのみになっていくと思われます。
USB3.1のTypeCに対応するUSBメモリは下図のように、TypeAにも対応するタイプが多いです。
セキュリティモデル
USBメモリは小さく持ち運びやすい反面、うっかり落としてしまい情報漏洩を起こす危険性があります。このため、内容を暗号化するセキュリティロック対応モデルが発売されています。その分、値段は高くなりますが、購入の際はご検討下さい。
3.SDメモリカード
SDカードとmicroSDカード
大きさの違いでSDカードとmicroSDカード2つの規格があります。SDカードは主にノートPC、microSDカードはスマホで利用されます。
各詳細規格
規格:
規格名 |
最大容量 |
SDXC |
2TB |
SDHC |
32GB |
SD |
2GB |
下位互換です。
UHS-I / UHS-II:
UHS-Iは最大104MB/s、UHS-IIは最大312MB/sまで対応する最大転送速度規格です。
UHSスピードクラス:
最低保証転送速度規格です。1は10MB/s、3は30MB/sです。
スピードクラス:
UHSがない場合も保証される最低保証転送速度規格です。10と書かれている場合10MB/sです。
※UHS:Ultra High Speed