大きくは従来型のHDD(hard disk drive)とSSD(solid state drive)に分かれます。
SSDはUSBメモリと同じくNAND型フラッシュメモリを用いたストレージで、仕組上は従来のHDDではなくメモリに近い、いわばメモリの不揮発版(電源を切っても記録が消えない)と言えます。HDDに比べて優れた部分が多いものの、まだ問題も多く、現状ではSSDとHDDが併用、使い分けされている状態です。
尚、アクセス速度は概ね、SSD:4000MB/s、HDD:100MB/s、決定的な差があります。
1.HDDの規格
HDDは、その性能とインターフェース規格の違いからSATAとSASに分類されます。SATAとSASは本体では見分けにくいのですが、インターフェースの形状により簡単に判別することができます。
※SATAはシリアルATAとも呼ばれます。
※インターフェース規格には過去IDE(パラレルATA)という規格もありましたが、廃れました。
又、SATA、SASともに大きさの違いから3.5インチ、2.5インチという2つの規格があります。
SATAは一般的なHDDで、個人向け量販店で販売されているHDDはほぼこの規格です。
一度に複数ユーザーの使用を想定しない、1日8時間程度の使用を想定、という設計思想により、シンプルな構造にすることで、低価格になっています。
SASはSATAに比べ、高速、高信頼の設計で、主に企業の重要なシステムで使用されるHDDです。
デメリットはSATAに比べ圧倒的に値段が高いことです。
高速というメリットは、SSDの普及により、なくなりつつあります。
高信頼というメリットは揺るぎません。そもそも24時間連続使用を前提とした高信頼設計です。かつ複数ユーザー同時使用を前提にしています。
~SATAとSASのアクセス速度~
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SATA |
SAS |
アクセス速度 |
100MB/s |
150~250MB/s |
アクセス速度はハードディスクへのアクセスに対する速度です。読み込み、書き込み、ランダムアクセスなどアクセス状況により変わるため一概には言えないのですが、概ねこの程度と言われており、
インターフェース規格の最大データ転送速度に対して大幅に低いです。
~SATAとSASの仕様・インターフェース規格~
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SATA |
SAS |
最大データ転送速度 |
SATA-3:600MB/s |
SAS-2:600MB/s SAS-3:1,200MB/s |
回転数 |
5,400rpm、7,200rpm |
10,000rpm、15,000rpm |
通信形式 |
半二重 |
全二重 |
転送仕様 |
ATA(一方的に転送) |
SCSI(状態を確認しながら正確に転送) |
コネクター |
シングルポート |
デュアルポート(冗長化可) |
最大ケーブル長 |
1m |
10m |
2.SSDの規格
~SSDのアクセス速度~
概ねアクセス速度は4000MB/sと圧倒的ですが、現状ではメリット、デメリットが存在します。
~SSDのインターフェース~
接続インターフェースで規格を分けると、NVMe、SATAに分かれます。
圧倒的なアクセス速度を誇るSSDの能力を生かせるのはNVMeなのですが、現行の機器との互換性を図るため、まだインターフェースがSATAのSSDが一般的です。
SATAではSSDの能力を生かしきれていないとはいえ、例えば、現行100MB/s程度のSATAのHDDに比べ、SATAのSSDはインターフェース規格最大の600MB/sの転送速度となり、6倍速くなります。
因みにSASインターフェースのSSDは現状どのメーカーからも販売されていません。
※NVMe:SSD用に開発された次世代インターフェースです。その最大転送速度はSSDのアクセス速度と同じ4000MB/sです。各インターフェースの転送速度の比較はこちらで詳しくまとめていますので併せてご参照下さい。尚、ややこしい話ですがNVMeの物理レイヤー(インターフェースの接続形状)は主にメモリとチップセット間のインターフェースで利用されているPCI Expressです。
【SSDのメリット】
・構造上HDDのようにシークタイムがなく、読み込み速度が非常に高速。
・物理的な稼動箇所がないため省電力、静か、振動・衝撃に強い。
・小型。
【SSDのデメリット】
・容量単価がHDDより高い。
・大容量SSDが販売されていない。
・書き込み・消去(内部動作)のたびに素子が劣化するため、寿命が短い。
・故障時のデータ復旧の技術は現時点で確立されておらず、サルベージが極めて難しい。
・周辺機器のインターフェースがSSDに追いついておらず、その能力を生かし切れない。