ネットワーク技術者のための基礎理論

 ネットワーク技術者として知っておくべき基礎の基礎。OS基本I参照モデル、各プロコトル、ポートの役割を整理します。

1.OSI基本参照モデル

 何はともあれ、ネットワーク技術者は、OSI基本参照モデルを覚えることが全てのスタートです。OSI基本参照モデルに対し、TCP/IPプロトコル群は、プロコトルとして最も利用されるTCP/IPプロトコルをOSI基本参照モデルにあてはめたものです。

各レイヤーの役割と対応機器、通信プロコトル

2.多重通信を可能にする仕組み

 パソコンを利用してインターネットをしながらメールを確認したり、同時に複数のウェブページを参照したりすることができます。何故できるのでしょうか?
 特に、IPアドレスを理解すると疑問に思う事だと思います。インターネット上では1デバイスに対し1つのグローバルIPアドレスが割り当てられ、重複するアドレスはありません。
 この仕組みがインターネット上で守られていることで、正しく通信を行うことが出来ています。これを考えると、1つのIPアドレスしかない状態で、何故インターネットをしながらメールできるのか。何故同時に複数のウェブページを参照できるのかと疑問に感じると思います。
 答えは、トランスポート層のTCP、UDPプロトコルによるセッションの多重化機能により、同時通信が可能となっています。このセッションとは通信コネクションのことで、複数の通信コネクションを確立することが出来るのですが、この時、重複できないIPアドレスにポート番号という、いわゆるIPアドレスのサブアドレスのような番号を付与することで、トランスポート層の上位であるセッション層、プレゼンテーション層、アプリケーション層において、各セッションを区別できるようにしています。


 ちなみに、FTTH回線で利用するPPPレベルのセッションはポート番号によるセッションとは異なり、IPアドレスレベルのセッションです。この場合、セッションごと別のグローバルIPアドレスを利用して通信を行います。


ポート番号

 ポート番号は0~65535(16ビット)の範囲で表されます。以下のように種類分けされ各アプリケーション内で、セッションを確立する都度、ポート番号を割り当てています。

ポート番号 種類 備考
0~1023 ウェルノウンポート プロトコルごとに予約されたポート番号
1024~49151 登録済ポート アプリケーションが利用するポート番号
49152~65535 ダイナミックポート セッションごと自由に利用できるポート番号

 覚えておくべき代表的なウェルノウンポートは、以下の通りです。

ポート番号 プロトコル TCP/UDP 備考
20 FTP(データ) TCP FTPにおいてデータ通信を行う。(アクティブモードの場合)
21 FTP(コントロール) TCP FTPにおいて制御を行う。
22 SSH TCP
23 Telnet TCP
25 SMTP TCP
53 DNS UDP,TCP
67 DHCP UDP サーバー側
68 DHCP UDP クライアント側
69 TFTP UDP
80 HTTP TCP
110 POP3 TCP
110 NTP UDP
161 SNMP UDP
162 SNMP UDP TRAP
443 HTTPS TCP
587 Submission TCP


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