テストセンター

 テストセンターとは、IT資格をはじめTOEIC等様々な資格のCBT試験を実施するテスト配信会社に対して、試験会場を提供し試験を代理で実施する会社です。
 テストセンターは、テスト配信会社から、配信するテスト問題を預かり、直営やフランチャイズ契約した各地の試験会場に試験を配信し、これにより受験希望者が全国各地で受験できるというものです。
 例えば、基本情報技術者試験(FE)はCBT方式で試験を実施していますが、この試験のテスト配信会社はIPA(情報処理推進機構)。テストセンターはプロメトリックです。
 初めての受験者は、IPAの公式サイトから受験申込をするときに、何故、他の会社のプロメトリックで申し込むのか?と疑問に感じると思いますが、要するに、IPAが自前で全国にCBTテスト会場を用意するのは手間も費用もかかるから、試験会場、試験用パソコン、試験監督員を準備しているプロメトリックに試験実施をアウトソージングしているということです。
 ですので、試験結果の照会もIPAの公式サイトで行います。プロメトリックは試験を実施しているだけで、資格認定、資格管理はIPAが行っているからです。
 例ではプロメトリックを紹介しましたが、このテストセンター運営会社として、プロメトリックピアソンVUEの2社が有名です。おそらくIT資格試験を受けたことのない人にとっては聞いたこともない会社だと思いますが、世界的にCBT試験を実施する有名な会社です。
 日本限定のテストセンターではオデッセイが有名です。MOS(Microsoft Office Specialist)試験のテストセンターとしてよく知られています。これにAWS試験のテストセンターとしてPSIという会社が日本進出しており、現在メジャーなテストセンターは4社存在する状況です。

目次
 4.PSI

1.プロメトリック

 主にIPA(情報処理推進機構)のCBT試験を実施するテストセンターです。

 プロメトリック(http://www.prometric-jp.com/)


 直営テストセンターは東京、名古屋、大阪にあります。
 東京の直営テストセンターは、国内最大のCBTテストセンター「御茶ノ水ソラシティテストセンター 」です。

御茶ノ水ソラシティテストセンター


2.ピアソンVUE

 シスコ、LPIC、Oracle等ほとんどの民間、ベンダー系CBT試験を実施するのテストセンターです。

 一部のテストセンターでは当日申込、当日受験可能です。

 ピアソンVUE(https://www.pearsonvue.co.jp/)


 直営テストセンターは、「ピアソンプロフェッショナルセンター東京」、「ピアソンプロフェッショナルセンター新宿」、「ピアソンプロフェッショナルセンター大阪」の3か所です。

ピアソンプロフェッショナルセンター東京の入る帝国ホテルタワー

3.オデッセイ

 主にMOSのCBT試験のを実施するテストセンターです。

 CBT試験の請負専門の会社とは違い、Python、VBA等の資格を、実施、配信、試験まで一貫して行っています。

 株式会社オデッセイ コミュニケーションズ(http://www.odyssey-com.co.jp/)


 直営テストセンターは、「オデッセイ テスティング センター 有楽町」、「オデッセイ テスティング センター 横浜」の2か所です。

オデッセイ テスティング センター 有楽町

4.PSI

 AWSのCBT試験を実施するのテストセンターです。
 世界的にCBT試験を実施している会社ですが、日本での体制が整っていない印象です。公式HPすら、あるにはありますが、自動翻訳したような内容です。

 AWSのCBT試験はピアソンVUEでも受験可能ですので、現状では、ピアソンVUEで受験する方が良いと思います。

 PSI(https://www.psionline.com/en-gb/openings-jp/)


 直営テストセンターはありません。
 フランチャイズを入れても岩手、東京、岩手、東京、名古屋、大阪、神戸、福岡にしかテスト会場がありませんので注意して下さい。

5.試験会場の選び方

 最寄の試験会場を選ぶ訳ですが、高い受験料を払って試験を受ける訳ですので、試験に集中できる、環境の良い受験会場を選びたいものです。

 その点、各テストセンターの直営センターは、環境も良く、従業員の教育も徹底されているように思います。最寄に直営のテストセンターがあればそちらを選ぶべきです。


 フランチャイズのテストセンターの多くは、いわゆる雑居ビル内にあり、備品も客を迎えるという意味では安っぽく、各ブースを仕切る壁がベニヤ板というところもあります。

 また、フランチャイズの受付の従業員の中には、非常に高圧的であったり、態度が悪く試験前に不快な気分になったという話も良く聞きます。

 もちろんテストセンターになる為に研修を受けたり、プライバシーマークの取得を義務づけられたり、一定レベルのチェックを受けてテスト会場になっている訳ですし、対応の非常に良いフランチャイズもあるのですが、平均的に考えた時、直営には設備面はもちろん、対応についても劣ります。

 さらに、多くのフランチャイズはオデッセイのテストセンターかつピアソンVUEのテストセンターというようにテストセンターを兼任しています。

 これにより、ピアソンVUEの試験を受けに行ったが、オデッセイの統一テストの日に重なってしまい、受付で混雑に巻き込まれた、 オデッセイの試験を受けに行ったが、土日でかつピアソンVUEの当日試験可能な会場だったため、大混雑で試験会場入場までリラックスできなかった。というような事があります。
 さらに、今後プロメトリックのテストセンターと他のテストセンターを兼任しているフランチャイズは要注意だと思われます。基本情報技術者試験がCBT試験に変更になったことが理由です。基本情報技術者試験はプロメトリックにて上期(5月・6月)、下期(10月・11月)に実施されます。基本情報技術者試験は年間で15万人が受験する最も受験者数が多いIT資格です。受験者は上期、下期の期間中に各1回のみ受験可能ということで、日程的に分散されるとは思います。また、コロナ禍で受験者数が減っており、今は大丈夫かもしれません。しかし、期間中の土日祝日は相当混雑するのではないかと思われます。


 このあたり、気にならない方は問題はありませんが、受験前で神経質になっている中、いやな気持になる可能性は極力排除したいと思われる方は、少し遠くても直営センターでの受験を考えた方が良いと思います。


 どうしてもフランチャイズで受験しなければばらないのは、近くに全く直営がない、受験を希望する日にフランチャイズしか試験を実施していない、学習が完了しておらず当日受付当日受験を検討している、雑居ビル的な場所と人が多い環境の方が落ち着く、という方に限られると思います。


おすすめの関連記事

IT国家資格
IT関連の国家資格をまとめました。
IT民間資格
IT関連の民間資格をまとめました。
ITベンダー資格
IT関連のベンダー資格をまとめました。